Les Miserables 〜レ・ミゼラブル〜 感激日 2003/08/30( e に点がついてないのはカンベンしてください…) |
|
キャスト・役についての思ふトコロ |
|
![]() |
ジャン・バルジャン(山口祐一郎) 最高ー!。前回日生劇場で観たコロレード大司教役で、すっかり「山祐萌え〜」状態になった 私なので今回のバルジャン役でいよいよハマリ気味に。歌唱力については今更言うまでも 無い事だが、やはりすばらしかった。下手をすると教科書的な歌に聴こえてしまう危険のある 人だけど、「彼を帰して」では本当に心を打たれた。また子煩悩そうな雰囲気が、コゼットとの 絡みに更に悲しみを加えた感じで良かった。長身が、私のもっていたバルジャン像とズバリ 重なったのも嬉しい。体格のせいだけでなく、人間的にも大きさを感じさせるバルジャン だった。最後、白いシャツに 黒いズボンだと、更に足が長く見えて(笑)萌え度アップ。 カーテンコールのとき、中央に立とうとしないシャイな所もツボ。きゅうー。トートも観るぞ! |
![]() |
ジャベール(岡 幸次郎) 正直出足は、かなり「薄い」という感触だった。CDでしつこく聞いていた村井国男の方が、 歌唱力は明らかに劣るのに、数倍人間臭くて、バルジャンに対して強い思いをもっている ように思えたから。牢獄での「オレはジャベール!忘れるなよ。俺の名を!」という台詞も、 丁寧に歌いすぎて、思わず「これじゃあ 忘れちゃいそう…」と思ってしまった。が、「星よ」の 後あたりから、「おっ」という感じでジャベール像が活き活きしてきたように思えた。最後の 自殺のシーンは、かなり印象深い。勝手な印象だけど、バルジャンとの直接的な絡みより 自分(内面)と対面する場面の方が、情感が出ていた様に思う。でも美味しい役だよね〜。 生まれ変わって役者になったら、絶対にこの役を1度は演りたい!とよく思う。笑 |
![]() |
マリウス(山本耕史) うーん…甘い…顔が(笑。ベビーフェイスというか甘系の顔も手伝って、本当にマジメで いい人そう〜なマリウスだった。それゆえに、エポニーヌのようなタイプから、愛される 事が、自分的にすごく納得しやすかった(笑(不良がお嬢様を好きになる逆論理?!) この人は声も独特で、やっぱり甘いのだ。(なんとなく、マリウスという役の人はクリアな 声というイメージがあったんけど。)風と共に去りぬのアシュレ-とか演らせたら、めっちゃ ハマるとみた!何を隠そうレミゼ中で一番好きな歌はマリウスの「カフェ・ソング」。 スゴーイ良かった。特に「ああ友よ…聞くな」の「友よ」の後のタメが。(細かい?!) |
![]() |
アンジョルラス(坂元健児) ちっちゃい…ちっちゃいよアンジョルラスが!笑) 私のもっていたアンジョルラスの イメージは1:大男 2:燃える革命魂 3:胸毛 4:アゴが尻 (3・4もマジメ) だったんだけど…今回のアンジョルラスは2以外がハズレでした。(いや、3は裸を 見ない事にはまだハズレかどうか分からんけど:笑)山祐は186センチの大男だし、 岡もそれなりに長身。この二人に挟まれた日には…あ゛ぁ、ちっちゃいよ〜。でも、 主要メンバーの中では一番きれいなテノールで歌も台詞がはっきり聞き取れたし 歌については文句なし。むしろ、アンジョルラスに一番必要なのは、2番なので、結論、 良かったと思いまふ。つーか、なんかカワイく思えてかなり今回注目度高かった。笑 この人は、雰囲気に少年ぽさが漂うのでエリザベートのルドルフとか似合うのでは、 とか、チラッと思ってみたり。ある意味、見た目では今回一番の衝撃だったかも。笑 |
![]() |
コゼット(河野由佳) うーん…どこも何も悪いと思ったところは無いんだけど、、ちょっと印象が薄め。 そつなくこなして、イメージどおりのコゼット、という感じなのかな。(上と逆。笑) とてもキレ〜なイヤミのない歌い方で、聞いてて気持ち良かった。 |
![]() |
エポニーヌ(坂本真綾) この人の歌を以前 ラジオで聞いたときは、なんかガラス系のクリスタルボイスの 人だなーという印象があったけど、今回ナマで聞いてみたら、予想外にパワフル系で オドロキ。持ち歌で「幸せの世界に縁などない」のところで、勢い余って声がかなり かすれ気味だったのはちょっとヒヤっとしたけど、通してこの人の歌には心が打たれた。 エポニーヌの死に際、抱いているマリウスにチュ-をする所があるけど、絶対アレの せいで、早く死んじゃってると思うんだけど(笑。だって、打たれまくってるのに、腹筋で 起き上がってマリウスのクチビルを奪うんだよ?!絶対、傷開いてるって。笑 でも女性キャラの中では一番好きなキャラ。スレてそうですごいピュアなところが特に。 |
![]() |
ファンティーヌ(高橋由美子) モーツァルト!で見たときは、寂しい影のある、モーツァルトの姉をやっていた。 舞台人の彼女を見るのは初めてだったが、それまでもっていた「アイドルの印象」が それでパリーンと壊れた。今回は、薄幸な女、ファンティーヌ。正直、最初から、まだ 老け役(ていうほど老け役でもないけどね、ファンティーヌは:汗)には早いんじゃ ないかな〜…と思っていたが、やはり、背のちびっこさも手伝ってか、ちょびっとだけ 子供っぽさがついて回った気がした。ほんのちょっとなんだけど。あと序盤イキナリ 「♪自由にはばたき〜」のところで声が引っくり返ったので、その後しばらく安心して 観れなかったのが残念!とまあ、ケチはつけてみたりするけど、全体的には好印象 なのだ、これでも。エポニーヌの役でも1度是非みたいかも。(まだいけるよね?!) |
![]() |
ガブローシュ(吉武怜朗) 役者名を入れてみたけど…さすがに知らんわ、子役までは。笑 でも、エリザベートの 時も思ったけど、子役の役者って、やっぱり学校お休みしてきてるのかな?!すごい、 北島マヤみたい。笑) ヅカだと、子役は背の小さい娘役がやるのがほとんどだけど やはり、本物の子役を使うと、リアリティの差が歴然。もちろん、子供だからこそ、見えて しまう、稚拙さや、「一生懸命やってる感じ」がみえすぎてしまうと、逆にリアリティどころか 舞台から現実に引き戻されてしまうリスクもあると思うけど。今回観たガブローシュは、 なかなかの力演で、いい!と思ったのが「下町育ち感」がすごく出ていたこと。本当は この吉武君は、都会のおぼっちゃんかもしれないが、子供ながらドスを聞かせて 「ついて来い」という辺りなど、かなーり良かったように思う。関係ないけど、ガブローシュが 最後死ぬとき、下に兵士の死体がある。死体といっても、生きてる役者さんがやってる わけで…。ガブローシュの最期、バタッとなったときは下で「げふっ!」とかなってるのか。笑 |
![]() |
テナルディエ(三遊亭亜郎) うーん…実はすごい好きな役だけに、ちょっと残念だったかも。名前を見れば一目瞭然、 落語家さんだ(今もそうなのかな)。歌唱力なんてはなから、この役に求めていません、 あたくし。何を求めているかというと、「人生に対するふてぶてしさ」と「ユーモア」なのだ。 で、ふてぶてしさは、バッチリだったんだけど、ユーモアさが惜しいかな、自分的にはあと 一歩だった感じ。このがめつい夫婦の役、どちらもユーモアが欠けると、ただの悪人に なってしまう危険がある。もちろん「ただの悪人」では終わってなかったけど、うーん、 ほんと後ちょっとだけ、ユーモアを足して欲しかったかな…。ちょっと硬質な感じがしたのが残念。 |
![]() |
テナルディエの妻(峰さを理) 上のオヤジに求めるものが、「人生に対するふてぶてしさ」と「ユーモア」ならば!私がこの役に 求めるものは何かというと…、「人生に対するふてぶてしさ」と「かわいらしさ」。可愛いの意味が 上手く伝わるか自信ないけど…。テナルディエの妻は、もともと、純愛小説などを呼んで夢見がちな ところのあるキャラクタ-と聞いた。たしかに「♪会えると夢見てたプリンス」という歌詞がある。で、 夢見る少女がその後「それがなんだい、あいつがプリンス!」と出会って、素の素質も手伝って それはそれは、ふてぶてし〜い、女に進化(?)したんだと思う。で、どこか憎みきれない感じを 出すのに一番有効なのが、かつてもっていたであろう「かわいらしさ」を垣間みせる事だと思うのだ。 これまた惜しいかな、あとちょっとだけ、それが足りなかったんだよね、自分的に。。むしろ、体の 大きさも手伝ってか、怖い印象のみ残っちゃったかな、というのが率直な感想。。率直な感想といえば この人、宝塚時代は、あのボインをいったいどこにしまっていたんだろう…。(ハイそこオヤジ言わない) |
全体感想〜 | |
観た事こそはじめてだったけど、日本版や海外版のCDや、コンサートのビデオ、頂きものの パンフなどで私の中の『レ:ミゼラブル』が出来上がっていただけに、いろいろまあゴタクたれて ますね。笑 で、結果、どうよ、どうなのよと言われれば…モチロン、「すばらしかった!」の 一言に尽きるわけです。生デビューの衝撃という甘点を引いても、十分、心に残るすばらしい 作品だと思いました。なんでしょう、終わった時にゼイタクな食事をした後のような感じになる というか…。ある種の「完成されてる感」が感じられるからかもしれまんせんな。名作と呼ばれる 深み、というより、「名作」と呼ばれるまでに至った紆余曲折の舞台上の歴史の深みとでも言う んでしょうか、それが凝縮されている感じがします、ハイ。なので役者さんたちには、それぞれの 解釈や、技術に、ついついウンチクをたれたくなるんだけど、作品の中で息づくキャラクターたち には、ほとんど文句とかないわけです。(普通のお芝居だと、「あそこであんな事言うなんて、 キャラ設定おかしいよ」とか多々出るんだけど)そういうところも、すばらしいと思うわけです。 いやーリピーターが多いのもうなづけました。なぜかって、自分がリピーターになりそうな勢い だからですわ。笑)違うキャストでも是非、観てみたいですねー。ホントいい舞台でした☆ |
![]() |
03/09/03